この度、江崎器械様のお世話により、カイロプラクティック動態学 上・下(科学新聞社刊)をテキストとして、動態学講座を10回(予定)に亘って実施することになりました。
この本では主にモーション・パルペーション、フィクセーションの種類、アジャストメントについてD.C.や上級生むけにつくられています(本文はしがき)。私にとってより重要と思えることは、フィクセーション、サブラクセーション複合体の原理と生理学的、生体力学的メカニズムに基づく検査・評価・鑑別と治療です。Schaferはこの本に記された概念によって問題解決のカギとなる広範囲にわたる観点と洞察力が得られ、原理と方法論は多くの問題に対する解答を見つける入口となると説いています。また、正常な姿勢制御や運動機能を、開放性運動連鎖をキーワードの一つとしてとらえています。
私見ですが、臨床上に難解な、慢性的な経過をたどる問題となるサブラクセーション複合体の根源には椎体フィクセーションと運動連鎖の失調が関連しているように思われます。また経験的には筋膜などの組織や内臓機能の問題も関連し、結果として可動性の低下、組織の可塑性や機能不全を呈しているようです。慢性的なサブラクセーション複合体には神経閾値の問題、機能連鎖の失調が介在して、関連する複数の椎体でフィクセーションが生じたように思われます。
講座は基礎的な資料や関連する見解を補完しながら、カイロプラクティック動態学への理解を深めるための手助けとなるようにすすめます。第1回では、動態学アプローチの概観を筋機能・姿勢制御・受容器・反射・自律神経・運動連鎖をカギとして概論を述べます。以後、各回では頚椎、胸椎・胸背部、胸腔・腹腔、腰部、骨盤、統合をテーマに、受講生各位が今日までに習得し、培ってきた基礎・応用の知識や技術を更に発展できるように、基礎的な原理や技法を再確認し、応用解剖学、生理学的な要点や臨床に即した検査・鑑別と治療の要点と実技について伝えたいと思っています。
参考図書
カイロプラクティック動態学(上巻・下巻)価格各 9,240円(税込)発行所:科学新聞社
R.C. Schafer D.C. L.J. Faye D.C.著
守屋徹・馬場信年 監訳 守屋靖大 訳
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