前回に引き続いて腰部・腹腔の機能評価と連鎖について触れていきます。
体幹や腰部の機能維持に重要な役割を担っている部位の一つに胸腰移行部があげられます、この部位は前回も触れました胸腔と腹腔のバランスに影響を及ぼします。構造的には胸肋三角の構成、弓状靱帯と第1・2腰椎、横隔膜脚と第3腰椎などとの関連、第12胸椎の役割などが主要なテーマとなります。
筋の機能では主に脊柱起立筋群と仙骨、腰方形筋・大腰筋と肋骨・腸骨との関連、腰部多裂筋について解説します。
例えば、腰椎の可動性や運動連鎖として、腰椎の動きは椎間関節の対向及び重厚な靱帯によって回旋の可動域が制限されます、また腰椎の可動域は過剰な股関節の動きで代償されているか、あるいはその逆がみられることがありますので、連鎖の評価として腰椎の可動域の検査と伴に股関節の可動域の検査が必要となります(腰部・骨盤と下肢機能の関連については次回になります)、腰痛でよく観られますが脊柱起立筋に弱化の傾向が疑われるときは腰部伸筋と股関節の伸筋の弱化を識別し、屈筋では腹筋と股関節の屈筋の弱化を識別する必要があります。また股関節の障害(骨折、結核、変形性関節、関節フィクセーション)や股関節の筋の障害による可動制限は代償性を仙腸関節、腰椎、膝や足関節に促す可能性があります。
胸腰筋膜の浅葉の内側は椎骨の棘突起、棘上靭帯、正中仙骨稜に、外側は肋骨角、上端は上項線に、下端は腸骨稜および仙骨の後面に付きます、この筋膜の腰部は著しく厚く胸腰筋膜の腱様部となります。この部の上方の大部分は広背筋及び下後鋸筋、下方は大殿筋の一部の起始となり、浅葉は脊柱起立筋の外側縁で深葉と癒着しています。背筋前面の深葉は第12肋骨、全腰椎の肋骨突起および腸骨稜の間に張り脊柱起立筋と腰方形筋を隔て、深背筋腰部の外側縁で浅葉と癒合し鞘状に包み、内腹斜筋と腹横筋の起始をなします。このように胸腰筋膜に表れる問題は腰椎、仙骨や各筋の機能を反映したものとなります。
以上のような機能の評価を関節構造、固有筋の機能、分節運動を復習しながら、腰椎可動触診、検査、治療について述べます。
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